作品集

WORKS

この作品一覧は、あくまでもHP制作者が手元に所有・収集したコレクションを分類し紹介したもので、池田永治の仕事の全貌を物語るものではありません。画家池田永治とその時代を概観し理解するのに少しでも役立てばと存じます。

このコレクションは、保存・活用してくださる組織からお言葉があれば、総括的に、または個々に寄贈させていただきます。

親族による保存資料

1. 筆者自宅に保存する永一治の油絵2点(適切な寄贈先を求めている)

■ 「万国旗」(第30回太平洋画展入選作品、1934)70cm×58cm
遊園地に万国旗がはためく明るい情景。当時の東京の何処かであろうか。

■「鳥渡る」(第2回日展入選作品、1946)64cm×50cm
爆撃で焦土になった東京、団子坂からバラックの建ち並ぶ下町を越えて
上野の山を望む情景。大空に点々と鳥が渡る。
筆者の勝手な感想であるが、この絵の構図は、1924年に永治が装幀した
田山花袋著「東京震災記」の見返し、薄明の上野の山を渡る鳥の場面を連想させる。

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東京都の公的展示館へ寄贈予定

2. 三女亀山タツミの小説下書きコピー2編〔A4ファイル〕

■ 「みねやのあしあと」(A4判55頁)
池田永一治をモデルにした画家の白水一家で働く女中みね子の姿を中心に、作者がモデルの
三女栗子の目をとおして、戦前の市民生活の日常が明るく描かれている。

■ 「失われた時」(A4判55頁 2008.3)
同じく作者がモデルである若い省子が、東京でも疎開先でも戦争の渦に翻弄されながら、
自分を見失わずに懸命に生きていこうとする姿を描いている。

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3. 京阪土産名所図画二十葉(古島竹次郎 1895)

「編集兼彫刻人池田直治郎」とあるが、当時大阪で木版出版業をしていた永治の父、
池田直次郎の雅名と推測される。

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4. 池田永治重要保存文物〔A4ファイル〕

大型保存帳に散逸を避けるため、集中してまとめている。1点として扱う。

①自筆履歴書、診断書(自筆写し)
②「阿尾日記」粗原稿、富山新聞、絶筆(1950.3.16)P71
③永治のデスマスク・スケッチ7点(1950.12.30)
次女辻本ヒロ、三女亀山タツミ、四女高橋嘉納、長男池田辰彦に
よる。(長女岩井タカのものは本人に返却済み)P37・97
④永治没後、妻ひさに宛てた石井柏亭、池部鈞氏からの手紙。(1951.1)
⑤永治の日展出品歴一覧表。日展事務局作成(1982.10.20)
合計24点出展し、そのうち、褒状2、招待2、無鑑査4。
⑥日展史出品の掲載写真7葉。日展事務局より(1983.10)
⑦池田家所蔵の油絵、各地の美術館で所蔵の永治作品リスト。
⑧辻本要・豪氏から返贈された時点の油絵6点の写真。
「まど」(第15回帝展、1934)
「OSAKA」(第1回第2部会展、1935)
「出漁」(第1回文展、無鑑査、1937)
「国土豊」(第5回文展、無鑑査、1942)
「万国旗](第30回太平洋画展、1934)
「鳥渡る」(第2回日展、1946)
⑨永治の写生「花瓶の花」
⑩永治印影、14点。P95
⑪弟池田実人(実)から送られたパリのスケッチ(1930.7.20)
⑫久米正雄氏宛ての書簡(1934.6.18)
鎌倉祭に若手漫画家が何か協力できないか、
問い合わせた内容。問い合わせの結果は不祥。近年オークションで入手。
⑬紀伊國屋書店宛ての書状。
⑭勝部武雄氏からの書状、年賀葉書。
⑮岡本一平氏から出品依頼の書状。
⑯差出人不祥の礼状。
⑰近藤浩一路氏からの書状。
⑱横山隆一氏の関係資料。
■鎌倉通信㉗(高知新聞、1998.10.31)「漫画家先輩」。
三女タツミの手紙に答える形で、先輩漫画家池田永治との交流を
回顧。寿司屋のけんか口論の場面が面白い。P92
■ 隆一コーナー「出会い」(朝日新聞、1978.8.17)
北沢楽天ら漫画家先輩たちとの出会いを語る。
■ 横山隆一氏の死去の報道。(朝日新聞ほか、2001.11.8)
「子供の心で大人の目」「作品に人柄が凝縮」と惜しむ紙面評。
⑲太平洋美術学校の教授任命書(中村不折校長名、1939.4.11)
⑳中村不折氏からの書簡(1940.10.31)
かねて出ていた永治からの辞表について翻意するよう説得激励
した内容。
㉑童話さしゑ22景(永治によるスクラップ)
㉒池田永治関係の戸籍謄本類。
長女岩井たか子が取り寄せて筆者に送ったもの(2004.9.9)
㉓「少年漫画池田永一治作ピチベ出かした37葉門外不出貴重品」
と永治が表紙に手書きしたもの。
自身で連載記事を収集し、自筆の表紙・序・解説を付けて綴じていた愛蔵版の冊子。
手書き原稿1部を挟み込む。
㉔葱坊主(永治自筆、1944.8)
戦時中の東京から、富山県に疎開中の妻ひさへ送った毛筆の小冊子。
妻の亡くなった父や兄のやさしかった思い出に始まり、
時節柄銀婚式ができないことを詫び、
東京で年頃の上の娘たちを育てる苦労についても述べている。
㉕私家版俳句集「業鏡高掲卅七年一槌打砕大道担然」(1944.8.8)
絵画制作上の反省・心得に始まり、自作の俳句を連ねた毛筆書きの小冊子。
㉖私家版俳句集「かぼちゃの天下」(1944.8)
白石大漁先生(当時の有力な後援者であった富山県氷見の漁業経営者、白石義尚氏。
永治の妻ひさの妹婿にあたる)宛てに書いた毛筆書きの句集、小冊子。
㉗「照降帖」(1949.12.4〜19)
東京を離れて終焉の地、富山県氷見郡阿尾村へ至るまでの
行程・事情を記した毛筆書きの小冊子。
㉘「病床日記」(池田実、1949.12.24)
永治が託してきた病弱な母の菊が12月22日、東京都豊島区千川町の弟の池田実(実人)宅で
亡くなった。その時の事情を実がノート2枚(4頁)に記し、兄永治へ送ったもの。

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⑲太平洋美術学校の教授任命書
⑳中村不折氏からの書簡を
太平洋美術会へ寄贈

5. 回顧(陸軍恤兵部1941)

支那従軍画家たちの作品の絵葉書集、全96葉。永治の弟実(実人)の作品は10葉。
他には、向井潤吉、鶴田吾郎、小早川篤四郎、南薫造などの作品が含まれる。

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6. 池田永治から弟池田実宛ての手紙、9通。(1969.8.25)

管理者が結婚した頃、叔父実人氏から譲られたもの。

7. 日本の名随筆61美談(江国滋編 作品社 1996)

永治の妻ひさの弟で、筑摩書房に勤務していた熊木勇次氏の随筆。
p90「睦子さんのこと」。

熊木 和也氏へ寄贈

8. 楠の六月(池田辰彦 詩学社 2004)

長男辰彦の詩集。
永治を題材にした詩、p12「Hyssan」、p30「鳥わたる」2編を含む。

9. ナラバ騎士(池田辰彦 詩学社 2006)

長男辰彦の詩集。
永治を題材にした詩、p42「西宮砲台」、p84「早春」、
p88「鉛筆画」3編を含む。
詳細は「永治について詠んだ詩」ページを参照