池田永治について

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池田直次郎

池田永治の父、池田直次郎(1908年沒)については、子の永治の言葉を借りると、私は画家(えかき)になりたいと親父にせがんでいたが親父は自分の趣味の製版、印刷を私に継がせようとして、知己(しりあい)の印刷会社へ見習いにやられた。

「自画伝」(『中学世界』29巻5号(博文館、1919)

親父は西洋木彫を掘る処に新しい版式を研究したからその頃でのハイカラであった。誰よりも上手、名人と自負していたから鼻息も荒かった。

(「親父と私」『日本一』6巻4号、南北社、1920)

とあるように、当時の大阪で熟練した腕を持って印刷業を営んでいたことが明らかである。
その足跡をたぐる有力な材料として、下記の「京阪土産 名所図画 二十葉」(印刷発行人古島竹次郎、編輯兼彫刻者池田直治郞、1895)がある。そこでは本名の直次郎ではなく直治郞と称しているが、実は永治の父直次郎であろうと推測されている。その生き方、人柄については、永治の目を通して、上記の二冊に詳述されている。

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